大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和22(オ)12 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由は「昭和二十二年七月十六日午前十時東京高等裁判所第三民事部法廷ニ

於テ口頭弁論期日ヲ指定セラレタルニ付第一審判決ヲ覆スベキ資料ヲ集メ依頼中ナ

リシ弁護士D殿昭和二十二年六月二十四日旅行中客舍ニテ急逝セラレタル為其ノ連

絡不充分トナリ当日出廷ノ上提出セラルベキ資料等並ニ弁論ノ機ヲ得ズ如何共為ス

ベカラザル状況裡ニ在リ仍テ前記弁護士故D氏ノ息E殿ヨリ東京高等裁判所第三民

事部F書記殿ニ対シ「担当弁護士タル父D氏死去ニ伴フ連絡不充分ト事件ノ性質上

ニ関聯セル弁護人選定ノ為ニ該口頭弁論期日延期方申請セラレタル旨ノ御報告ニ接

シ依頼セントスル弁護士旅行中ナリシ為其ノ期日迄ニハ如何トモ致シ難ク其ノ延期

期日ノ御指定アルモノト極力連絡中ナリシ処前記判決ニ直面シタルモノナリ。何分

事件ノ性質甚ダ微妙ナルモノニテ外観ト事実トハ単ナル推定ヲ許サザル訴訟ナルガ

故ニ其ノ資料ノ集拾、適切ナル弁護ト相俟チ正邪ヲ弁別セントスルモノニ有之、仍

テ前記ノ事情ヲ具シ猶且ツ前審ニハ事実ヲ曲否シタル被上告人一方ノ理由並ニ信ズ

ベカラザル証人ノ証言等ヲ基礎トシテ漫リニ事実ヲ確定シ控訴人方ノ証言ハ信ズベ

カラザル旨ノ認定ヲ以テ上告人ニ対シ敗訴ノ言渡ヲ為シタルハ上告人ノ服スル能ハ

ザル不法ノモノト信ズ。仍テ上告人ガ前審判決ノ破毀ヲ求メントスル所以ナリ」と

いうのである。

しかし、訴訟が裁判をするに熟したかどうかを判断して口頭弁論を終結すること

は、裁判所が自由裁量によつて決することであり記録を調査しても右の判断に不当

の点なく又証拠の取捨判断は事実審である裁判所の自由心証によることであつて、

いずれも原裁判所の専権に属するから、原判決には所論のような違法はなく論旨は

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理由がない。

以上のように上告は理由がないので民事訴訟法第四百一条第九十五条第八十九条

により主文の通り判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 庄 野 理 一

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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